食材を購入するためにスーパーマーケットに行くと、商品棚には色とりどりの野菜や果物が並んでいます。
果物は季節によってかなり種類が違いますが、野菜はどうでしょう。
その野菜たちは、季節を問わず一年中店頭に並ぶものがほとんどです。
栽培技術の進化や、流通経路の発達によって、野菜は旬の季節には関係なく手に入るようになりました。
とても便利なのですが、身体のことを考えると旬の野菜を中心に食べる方が健康にも美容にも効果があると言われているのです。
とくに冬には旬の野菜を食べることが、身体を冷やさない秘訣になり、健康や美容を保つ結果につながるとも言われているのです。
冬に旬を迎える野菜が美容や健康にどのような効果を与えるのか解説しましょう。
目次
食べることと美容の関係
肌が乾燥したり、肌荒れしてしまったり、髪がパサパサになるなど、美容の悩みがある時は身体の中に問題が起こっていることが原因かも知れません。
東洋医学では皮膚は内臓の鏡と考えられており、肌の調子が悪い時は身体の中から健康になる努力をしないと改善できないことも少なくないのです。
医食同源というのは、「食べることと病気の治療は同じこと」という意味です。
健康的な食生活を送っていれば病気になるリスクも少なくなり、薬なんて要らなくなるという考え方から生まれた言葉なんです。
食、健康、美容というのは、どれを取っても切っても切れない関係があるわけです。
野菜にはどうして旬があるの?
色んな種類の野菜が一年中売っているので、野菜の旬についてあまり考えなくなっています。
しかし自然に近い栽培方法では、旬の野菜じゃないと上手く育ちません。
例えば、熱帯地域では身体の熱を取る作用のある食べ物が多く、寒冷地域では身体を温める食べ物が多く育ちます。
日本列島は四季がありますので、その季節と地域性に適した野菜があるのです。
冬にトマトやキュウリなどの夏野菜をそのまま食べたり、熱帯地域で栽培される果物を食べることは身体を冷やす原因になります。
その環境に適したものを食べることが大切なのです。
冬に旬を迎える野菜の種類
冬の野菜はあまり種類がないと思われているかも知れませんが、日本国内で栽培される冬野菜は意外と多種類あります。
下記に野菜のジャンルごとにまとめてみました。
根菜類
- かぶ(10月~2月)
- ごぼう(10月~2月)
- れんこん(9月~1月)
- にんじん(10月~1月)
- だいこん(10月~1月)
いも類
- 長いも(11月~2月)
- 里いも(9月~1月)
葉菜類
- キャベツ(10月~6月)
- 白菜(10月~2月)
- 小松菜(12月~3月)
- 春菊(10月~12月)
- ほうれん草(10月~2月)
その他
- ねぎ(10月~2月)
- ゆり根(10月~12月)
以上の野菜は、冬に旬を迎える野菜のほんの一部です。
地域によっては冬だけじゃなく春から秋にかけて複数回収穫できる野菜もあります。
冬に旬を迎える野菜の美容・健康効果とは
冬の旬を迎える野菜全般に共通する効果は、身体を温めることです。
冷え性で肩こりやむくみなどに悩まされる方は、冬野菜を積極的に食卓に並べるようにしてみると体調にも良い変化が得られるのではないでしょうか。
冬野菜の栄養や、健康や美容への効果を確認しておきましょう。
かぶ
ビタミンCと葉酸が豊富に含まれるかぶには、カリウムも多く含まれています。
カリウムはむくみの改善作用があるミネラルなので、足のむくみなどのお悩み解消に良いです。
さらに消化酵素も含んでいるので、胃腸機能への負担を軽減する効果が期待できます。
ごぼう
ごぼうには水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれており、便秘解消効果が高い根菜です。
食物繊維は腸の機能をスムーズにするだけじゃなく糖質の吸収を抑える効果があるので、食後の血糖値の上昇を防ぎダイエット中の方に嬉しい冬野菜です。
サポニンというポリフェノールが豊富で、抗酸化作用によるアンチエイジング効果も期待できます。
にんじん
天然色素βカロテンを豊富の含むにんじんは、肌のしわを防ぐ効果のある野菜と言われています。
髪の毛や爪の健康に必要なビタミンAはβカロテンから吸収されるからです。
免疫力を強化する作用もあるので、βカロテンを豊富に含むにんじんは健康や美容にとても嬉しい冬野菜です。
カロテンは皮の部分にもっとも多く含まれるので、にんじんの皮は剥かないで、きれいに洗ってそのまま使った方がより栄養をしっかり摂れます。
れんこん
れんこんにはビタミンC、食物繊維、カリウム、亜鉛、鉄などの栄養素が含まれています。
そして抗酸化作用のあるタンニンというポリフェノールが含まれています。
レクチンというタンパク質の一種も含まれていますが、このレクチンは免疫細胞を助ける栄養なので免疫力の強化に役立ちます。
熱に弱いビタミンCですが、れんこんはでんぷん質が多いので、でんぷんがビタミンCを熱から守る作用により加熱調理してもビタミンCが残ります。
美肌に欠かせないビタミンCを補えて、食物繊維も豊富ですからダイエットにも適しています。
白菜
鍋に欠かせない白菜は、冬野菜の代表格です。
冬になると甘さが出て美味しさが増します。
白菜には、ビタミンC、カリウム、カルシウムを多く含みます。
身体の水分代謝を上げむくみの解消に役立ちます。
ほうれん草
ほうれん草には、βカロテン、ビタミンC、鉄、ビタミンB1、ビタミンB2、カルシウムなどを含みます。
栄養価の高い野菜としておなじみのほうれん草です。
βカロテンは粘膜や皮膚を強くするので、肌荒れしやすい時におすすめです。
霜にあたると甘さが増して美味しさもアップします。
一年を通して流通していますが、冬こそ積極的に食べるようにしましょう。
小松菜
ほうれん草と並んでいることが多い小松菜ですが、カルシウムはほうれん草の約5倍も含まれるのです。
ビタミンAやビタミンも豊富です。
食物繊維も豊富なので、とてもバランスの良い野菜です。
カルシウムが不足しがちな女性におすすめです。
長いも
長いもは冬野菜というイメージがないかも知れませんが、春と冬の年に二回の旬があるのです。
長いもには様々な種類がありますが、共通するのはネバネバした粘りです。
その粘りの正体はムチンと成分です。
ムチンは、粘膜や胃液などに含まれており消化を助ける作用があります。
粘膜を強くする作用があるムチンなので、風邪予防にも嬉しい効果が期待できます。
ねぎ
ねぎには特有のにおいがあります。
そのにおいは硫化アリルという成分が発するものです。
硫化アリルには、血行を促進する作用があります。
ねぎは万能に使える野菜ですから、血行促進して身体を温めるためにも冬は常備しておくと良いですね。
ねぎには白い部分が多い白ねぎと、緑色の部分が多い青ねぎがあります。
白い部分はビタミンCが豊富で、緑の部分にはカリウムやビタミンK、カロテンが多く含まれます。
春菊
春菊は鍋料理に入れることが多いので、冬に食べる機会が増えます。
少し香りが強いので、好き嫌いが分かれるかも知れませんが、女性には嬉しい美容効果の高い野菜の一つです。
しわ予防に必要なビタミンAになるβカロテンが非常の豊富に含まれています。
ビタミンC、ビタミンK、カルシウム、食物繊維、鉄とバランス良く栄養を含んでいる野菜です。
βカロテンの量では、小松菜やほうれん草よりも勝っているので乾燥小じわなどが気になる方には適しているでしょう。
冬野菜の美容・健康効果についてのまとめ
冬が旬の野菜は、ただ冬に美味しくなるだけがメリットではないのです。
冷えた身体を温めて、内臓の機能を助けて、寒さに負けない身体作りへ導きます。
それは健康から生まれる美しさにも使がっていくわけです。
きれいになりたいなら、旬の野菜をしっかり食べるという基本を食生活に取り入れるようにしましょう。
身体を冷やさないように、冬を乗り越えるためにも冬野菜をたっぷり食べてください。